BtoB、新規で企業間取引を成功させる秘訣は、
想定ユーザーへリーチし、丁寧にリードへ育ていくこと。
そのためのメディア・ツール整備、営業パーソンの行動管理、
そしてリードへのサポート施策やコミュニケーション。
これらを共有しマネージメントする。
01BtoB取引の本質を理解する
1. BtoB取引の実態
企業において課題が発生し、対策の検討がなされ、その結果何らかの製品・サービス購買が計画される。この検討開始から購買決定のクロージングまで、企業間取引、BtoB取引の特徴は、慎重且つ客観と言え、一言、面倒臭いものです。
これは自社に置き換えて見たり、自身がその渦中の営業パーソンであれば自明でしょう。
その根拠や傾向を列挙してみました。
- 担当は複数者のプロジェクトチーム(PT)で行い、より客観的で個人の恣意性を排する。
- PTには専門職・技術者が含まれることが多く、高度な評価がなされる。
- 取引額が高額となることが多く、年次予算化の必要性や資本計画に影響することもある。
- 業者の選定過程で、客観性を重視するため、Web検索を使うことが多い。
- オリエンやヒアリングをする際、事前にNDAを書面で交わすこともある。
- 取引交渉は複数社を並行して行い、提案コンペや競争入札とすることもある。
- 実地デモや導入テストを要求されることがある。
- 購買決定まで、数ヶ月から年単位の中長期になることもある。
- 新規で取引口座を開設する場合、業者の資格・与信も業者選定の審査要件となる。
- 取引業者、製品・サービスの最終決定には必ず社内の稟議を要する。
- 稟申では費用対効果や省力やコストダウンの改善効果が問われる。
- 業者が決定すれば取引契約、委託契約、秘密保持契約等の書面契約取り交わしが必須。
- 導入後のメンテナンスやサポート体制を問われる。
細かくはその他にもあると思いますが、弊社の経験上、このような事象が主だったところでしょう。
従って、新規のBtoB取引を成功させる秘訣の一つには、これらの実態を踏まえた施策や活動が求められることは間違い無いでしょう。
2. BtoBの意思決定プロセスを理解する|「ARSICA®」理論
前項のことから企業が購買を検討し、決定するまでのプロセスを理解しておくことが、より精度の高いBtoB取引の成就を見ることができると考えられます。 そのBtoB取引を前提とした、企業の意思決定プロセスを弊社では独自の理論で展開しています。
それは「ARSICA®」理論といいます。
一般に購買の意思決定要因は「AIDMA」や「AISAS」などで定義づけられますが、これはご存知の通り、一般消費者、つまり個人の購買行動に伴うプロセスを説いたもので、実はBtoB取引においてはこの理論では不足だということから、弊社にて「ARSICA®」理論を導き出しました。
AIDMA
- 存在を知り(Attention)
- 興味を持ち(Interest)
- 欲しいと思い(Desire)
- 記憶して(Memory)
- 購買行動をとる(Action)
AISAS
- 存在を知り(Attention)
- 興味を持ち(Interest)
- 検索し(Search)
- 購買行動をとる(Action)
- 共有する(Shere)
ARSICA®
- 課題発生・顕在化(Assignment)
- 解決策検討・調査(Research)
- 製品サービスや業者の比較選定(Selection)
- 製品サービスの審査や業者の資格審査(Inspection)
- 社内決裁・承認(Consent)
- 購買実行(Action)
いかがでしょう?
違いが一目瞭然と思いますし、前項の「1)BtoB取引の実態」で列挙したBtoB取引における特徴に「ARSICA®」理論が当てはまってきます。
もうおわかりと思いますが、「ARSICA®」が他と大きく異なる点が、
【比較・選定/Selection】【検証・審査/Inspection】【承認・決裁/Consent】の三つの過程が個人の購買とは大きく異なります。
因みに「AIDMA」はご存知の通り。
「AISAS」は広告代理店電通の提唱するモデルで、インターネット・SNS時代のBtoC取引の代表格と言えますが、やはりこれではBtoB取引は要件として不足な点があると考えられます。
3. 課題解決の方策・業者洗い出し
この「ARSICA®」理論に沿ってBtoB取引のケースでいくと、例えば、
- 新製品の導入により、新型のFA工作機械に入替える必要性が出てきた
- データや情報量の急激な増大で、基幹システムの再構築が必要となった
- 経営戦略の見直しで、経営コンサルを導入することとなった
企業はこれらの「課題|Assignment」から解決する方策、つまり「 調査|Research」をします。
どのようなスペックの製品?どのようなタイプのサービス?
このようにある程度の製品やサービスの方向性を決定します。
次に取扱う委託業者はどうするのか?
- 従来から取引している業者
- 取引先から紹介を受けた業者
- メディアや雑誌紹介の業者
- Web検索で客観的に業者を物色
昨今ではほぼこの4つの物色方法により、委託業者を検討していく対象とすることがほとんどでしょう。
就中、昨今の傾向として、4番目の「Web検索で客観的に業者を物色」は、BtoB取引企業では半ば常識化していると言えます。
むしろ既存業者や紹介業者は除いても、Web検索業者は必須としているケースも多く、
Web検索の精度向上に伴い検索信頼性が増したことに加え、企業がコネクションや主観を排し、客観的に、しかも複数社の中から業者を物色することが、企業のガバナンスやコンプライアンス的にも適合しているためと考えられます。
4. リードサポートの重要性《リードサポートとリードナーチャリング》
次に当該製品やサービスを提供する、俎上に登った複数の業者から、最終的な取引業者の「比較・選定|Selection」〜「審査・検証|Inspection」のフェーズに移ります。
複数の製品・サービス、複数の業者を対象に、比較検討を重ね、最終選考に進むための重要なプロセスとなります。
企業は業者とファーストコンタクトの商談はじめ、業者プレゼンや必要に応じてデモ等を経て、業者の絞込みに移っていきます。
さらに業者には具体案の提示、導入シミュレーション、デモ機械の導入等を実行させながら検証を加えていきます。
ここで目線を反転させ、業者の立場からのアプローチとして大切なことが、リード、つまり見込み客のサポートが挙げられます。もちろんここでは、見込み客とは購買主体となる企業のことです。
後半でもう少し詳しく解説しますが、実はここでのホスピタリティあるリードのサポートが、受注か失注かを分ける大きな要因となることを、弊社では経験的に心得ています。
また聞きなれない言葉の方もおられるかも知れませんが、リードナーチャリング《見込み客醸成》も大変有効なサポート手段であると言え、これも後半で解説します。
このようにいかに複数のオプションの中において、いかに客観的な視野で、より高い最適化を目指すのかは、ホストとなる購買企業では当然のことであり、それに対し、業者はその先を見据えた購買企業へのサポートが求められます。
5. 忘れてはならない営業パーソンの意識と活動
このような”痒いところに手が届く”サービスが大切であると共に、忘れてはならないBtoB取引における営業パーソンの心得として、いくつかの要点がありますが、2点ほどご紹介しておきます。
-
01
前項で述べた声がかりの4者、「従来から取引している業者」「 取引先から紹介を受けた業者」「メディアや雑誌紹介の業者」「Web検索で客観的に業者を物色」の中の、自社がどのタイプの業者であるかに関わらず、それぞれのタイプ固有の優位度、ネガティブ度をきちんと認識して臨むべき。例えば紹介をうけたからと言って決してアドバンテージがあるとは言えず、むしろその概念的、情実的な優位性は無いと考えた方が良い。
-
02
Web問合せに対し、営業パーソンの行動でよく起こることがある。短期で決着しそうな案件は集中力を高め、営業パーソンは積極的な動きになるが、中長期戦を余儀なくされる場合、モチベーションが上がらない、或いは事もあろうか、経過の途中で営業パーソン自身の個人判断で、勝手に消滅させてしまうことが、実は枚挙にいとまが無いほど。前述BtoB取引の特徴でも述べたが、そもそもBtoB取引は中長期戦は珍しいことではなく、取引額が高額になればなるほど、その傾向は強くなると心得る。
MA(マーケティング・オートメーション)などのシステムを導入すれば、この手のことは起こり得ないと思われがちですが、システムを運用するのは所詮人間ですので、BtoB取引を目指す場合、やはり営業パーソン個々人の意識と活動の標準化が重要です。
02BtoB取引を成功させるマーケティング戦略
1. ターゲットユーザーへのリーチ
ターゲットとする新規のユーザー企業にリーチするための、マーケティング戦略を解説します。
ただここでは紹介や従来からの取引は除き、全くコネクション無しのユーザーリーチの方策として、「SEO対策」「コンテンツマーケティング」「広告・DMクロスメディア」「広報・ブランディング」に関して説明していきます。
これら各施策の複合的な実施によりシナジーの高い効果を期待でき、弊社でも要件に合わせ、最適な組合せをご提案しています。
2. SEO対策
BtoBにおいてもWeb検索で対象業者を物色することが、ごくスタンダードになってきたこの時代、検索エンジンGoogleを介した検索で、目指す検索クエリ(キーワード)で上位表示を達成する、いわゆるSEO対策です。
Webマーケティング施策の代表的取組みです。
AI導入でさらに進化したGoogleの検索システムは、Webサイト全体やサイト内の下層ページの情報の質・量を精査し、その情報の独自性や専門性、有用性をGoogle独自の基準で評価し、ユーザーの求める検索クエリに対し、その結果をランク付けして表示させます。
要するにユーザーの利益を尊重し、それに見合ったサイトやWebページを紹介するものです。
逆に言うと、それらの条件を満たしていないサイトやページは上位表示がなされない訳で、
【ユーザー有益性=Google評価】という方程式が成り立つと考えられます。
かつてのように被リンク数の多さを競い、小手先のページチューニングで上位を狙うなど、今では微塵もその効力はありません。
3. コンテンツマーケティング
オフィシャルサイト・ブランディングサイト・商用サイト等、企業が運営するサイト単体、またはサイト群全体を称して「オウンドメディア」と言いますが、お役立ちBlogや動画、Facebook・Twitter・Instagram等のSNSを能動的に有効活用するものです。
その結果ターゲットユーザー含むマーケット全体に情報を拡散させながら、良質ユーザーをオウンドメディアへ誘導しようというマーケティング施策です。
BtoB企業ユーザーと言えども、Blog・SNS、動画を利用しているビジネスパーソンは多く、特にその業界に関する役立つ情報や、機械・設備の動作を紹介する動画による情報収集は、むしろ積極的に行われていると考えられます。
コンテンツマーケティングというとBtoCと思われるかもしれませんが、BtoBユーザーも、元はと言えば個人。
ただその個人がプライベートユースなのかビジネスユースだけの違いですので、ターゲットとするビジネスパーソンのペルソナをきちんと定義できれば、むしろ有効に活用したいものです。
またオウンドメディアではSEO対策やWeb広告等を並行して実施すれば、誘客・送客のダイバーシティなチャネル化を実現できます。
4. 広告・DMクロスメディア
純広告やDMなどからオウンドメディアへユーザーを誘導し、Webで完結・コンバージョンさせる、という複合的にメディア間でクロス連携させるプロモーションを「クロスメディア」と言い、BtoB取引にも効果的な施策です。
なぜWebで完結かというと、純広告やDMでは情報量が限られてしまい、Webの情報量から比較すると圧倒的な違いがあること、またWebはユーザーとの双方向性も実現できるため、特に衝動的な行動をとらないBtoBユーザーでは、むしろWebで詳細な専門情報を提供し、その後にインタラクティブなコミュニケーションを展開できるのは非常に適しています。
同様の広告でWeb広告があります。検索連動広告、リターゲティング広告、バナー広告等がありますが、オウンドメディアに誘導するという意味では、同じWebとは言え、弊社では集客・誘客目的ということで、クロスメディアの範疇で捉えています。
また一方の純広告はマス市場に広く投網をかけることができ、幅広いレンジでユーザーにリーチでき、DMは逆に絞り込まれたユーザーにピンポイントでコンタクトできる特徴があるため、Web誘導との組合せはとても相性の良いものです。
純広告の場合、TV、新聞、交通広告、OOH等がありますが、高額な広告費やあまりにもマス度が高いという点があります。BtoBの場合、少し絞り込んで業界紙、専門誌等の広告出稿が適している場合もあり、事前の計画で使い分けが必要でしょう。
5. 広報・ブランディング
広報・ブランディングというテーマからして、ターゲットにポジティブにリーチしようとする、上記の各施策とは少々のその存在を異にします。
しかしながら、ブランディングは企業や製品・サービスの差別的優位性をステークホルダーに発信し、定着させようという、マーケティング活動の一種です。
このブランディングの活動を広く社会・マーケットに認知をさせていく活動が広報です。
つまり前述各施策を実行すると同時に、これらの両者を連携させて活かすことでシナジーが得られます。
その中において、弊社ではBtoB戦略を成功させる手段の一つとして、このブランディングは必須の取組みであると認識しています。
それはともすればBtoB取引を目指す自社サイト、製品パンフレット、カタログ等の商用媒体は、売りに徹したい、と思うのが主催者側の心理でしょう。
しかしながら必要以上にそればかりに徹することは、BtoBに限らず、問合せや取引を検討するユーザーは不安感を持つ、場合によっては交渉対象から外す、といったことも十分あり得ます。
BtoBの商用が目的ですので、自社製品のファクトの強みや売りになる情報を発信したいと思うのは、無理からぬことですが、ブランディング由来の強みと、ダイレクトに売りを目的とした強みでは、その価値や重みは大きく真逆だとご理解ください。
ここでは詳細の言及は当サイトの別テーマ「ブランド戦略」に譲りますが、ターゲットユーザーが例えばクレバーな専門職、技術者だった場合を想定すると、自ずとおわかりいただけると思います。
03BtoB商談マネジメント
1. 商談管理・MA
BtoB取引のまさに入口となる出発点です。
前項で実施したSEO、コンテンツマーケティング、クロスメディア等の施策で得られた、貴重な新規の反響ユーザーを受付け、商談から取引に向けマネジメントしていくことです。
前述「忘れてはならない営業パーソンの意識と活動」でも言及しましたが、担当する営業パーソンに全権を付与することは、どうしてもリスクが付きまといます。
例えば、問合せユーザーからの電話受付に対し、そのまま営業パーソンに電話を引き継ぎ、社内に問合せは全て記録するというルールが無ければ、営業パーソンの意思のみで片付けられてしまう。つまり商談に結びついたのか?ならないのか?また、どのような問合せ内容だったのかもわからず、検証もできず、そのまま葬り去られることも…。
これでは社内で苦労してSEOやコンテンツマーケティングをやっても…何をか言わんやです。
逆に反響受付記録から営業パーソンに引き継がれ、有効初回訪問、商談進捗、商談メモ、実行施策…等々、営業パーソンの行動が記録され、それらを部内にて共有、必要に応じて集計、統計で活かせる仕組み。
つまりこれにより反響受付〜商談〜クロージングまでを一気通貫で、システマチックに運用することが叶い、BtoB取引における商談プロセスの見える化が実現します
ここにMA(マーケティング・オートメーション)システムを活用することは有効な手立てですが、必ずしも有料MAを導入せずとも、自社で管理・共有できれば、Excelなどの手作り様式の運用でも、十分な場合もあります。合わせてグループウエアやSFAも検討する価値があります。
2. BtoBツールとクリエイティブ
次にBtoB商談で不可欠なのが、使用する様々なツールやメディア類です。
その代表格が営業パーソン必携の製品・サービスパンフレットやカタログでしょう。
それに自社の企業紹介情報が網羅された会社案内や企業PR動画。
パワポのテンプレートも重要なBtoBツールですが、汎用テンプレは避け、企業ブランドイメージは反映させたいものです。
さらに商談が深化していけば、製品やサービスの動画も重要な戦力になります。
ここで重要なのが、各ツールのコンテンツやクリエイティブのクオリティです。
製品力に一定の自信がある、サービスに強みを持つ、このような企業でよく陥るのが、魂を感じられない、血の通っていないツール類です。
スペックやファクト情報、写真だけで作られたパンフレットやカタログ、
事業内容・会社情報・代表挨拶だけの会社案内や企業動画…..
これに対し、製品やサービスの基本情報に加え、研究・開発情報、導入提案・シミュレーション、ベンチマーク情報(他社比較)、ユーザーボイス…..等の情報が掲載されているパンフレットやカタログ。
企業情報だけでなく、CIや企業ブランディングにまで踏み込んだ会社案内。
製品の研究・開発者を登場させ、製品開発エピソードを滔々(とうとう)と語る製造業の企業動画。
いずれもツールやメディアのコンテンツに付加価値を付け、プロダクトやサービスのブランド価値を高める優れた要素です。
もちろん営業パーソンによる巧みな商談トークや、その後のホスピタリティな行動が、大きく商談の良し悪しを左右することは間違いありません。
しかしながら以下の要因でのコンテンツの付加価値やクリエイティブのクオリティが大事な理由です。
- 優秀な営業パーソンはさて置き、上質なパンフレット・カタログの使用で、標準レベルやそれ以下、また経験値の浅い社員が、優秀な営業パーソンと同様のトーク組立てができ、営業パーソン全体の標準化や底上げを可能とする。
- ユーザーの検討段階、業者物色の段階における、オウンドメディアからの資料請求でのパンフレット・カタログや会社案内送付、ホワイトペーパーのダウンロード等、営業パーソンがこの段階では関与しないため、いかにツールにいい仕事をさせるかにかかっている。
- またDMに使用されるパンフレット、リーフレット、カタログ等もユーザーにダイレクトにツールが届くため、ツールによってユーザーへ錯誤なく理解させ、共感に導き、Webサイトへの誘導、さらに詳細な資料請求、問合せ行動等のコンバージョンにつながることまで視野に置くことが求められ、やはりツールの品質が重要。
- ユーザーの社内稟申の際、新規取引の稟申は与信や信頼性等、何かとネガティブなイメージが付きまとう。稟議書に添付された上質なパンフレット・カタログ、ブランディング重視の会社案内は、決裁者の不安感を払拭し、地帯ない決裁に繋がる要因。
これらの作用により、商談ツールやクリエイティブが、常に状況を優位にできるものではありませんが、競合状況が厳しいければ厳しいほど、総力戦でこれらのツールが威力を発揮します。
ただしあくまでも支援ツールは支援ツールであり、優れていても道具立です。
やはり、これらを使いこなす営業パーソンの頼れるバイプレーヤーとしてのミッションです。
一方、DMや資料請求に使用するツールは、逆に主役を演じなければなりません。
3. 「リードサポート」が大きく結果に影響
弊社ではBtoB取引の商談プロセスにおいて、このリードサポートを大変重要視しています。
その論拠は、前述の「ARSICA®」理論の中の、
- 「比較・選定|Selection」
- 「審査・検証|Inspection」
のフェーズで、検討ユーザーに対し、いかにホスピタリティのあるサポートができるか?
これによって競合となっている他社との差別化を図り、自社の存在感を打ち出せるか。
このことは営業パーソンのとるべき、とても重要な行動であり、腕の発揮どころです。
製品やサービスに競合各社と大きな差がない場合、価格競争になりそうな状況を食い止めるパワーにもなり、その状況でも「価値訴求」が決め手になることも十分あり得ると言えます。
その方法を少しだけご紹介すると、
- 製造業であれば、商談ユーザーを自社の工場視察に招き、当該製品の実際の生産過程視察、完成品の稼働デモを実施する。
- システム系事案の場合、商談ユーザーと共に同等のシステムを導入した顧客へ訪問し、商談ユーザーを顧客の担当者と懇談する機会をつくる。
- 最終決裁段階の稟議書作成をする担当者に対し、添付するデータや情報資料などの作成協力を申し出る。
- 固定した「予定調和」的なユーザーリクエストに対し、ヒアリングやカウンセリングを重ね、全く異なる視野から、また多様な側面から別提案を行う。
実は弊社も検討ユーザーに対し、リードサポートを行なっています。
詳細はここでは申し上げられませんが、やはりこのリードサポートの基本は、検討ユーザーの痒いところに手が届くだけでなく、本来痒いはずなのに、気付いていないところにも先回りする…..など。
ユーザーの気付いていない潜在点を可視化させる、「ファシリテーション」も大事なセッションとなります。
4. リードナーチャリング
本テーマの前半でも若干触れましたが、初めて接する方もおられるかも知れません。
端的に日本語に置き換えて言うと、「見込み客醸成」です。
実は弊社ではこのリードナーチャリングもリードサポートの一環と捉えています。
一般的な定義はオウンドメディアからの反響ユーザーに対し、メルマガ登録・配信、資料請求、カタログダウンロード、セミナーや展示会への招聘など、ホスピタリティなサポートをしていき、徐々に見込みから確度を上げ、成約・クロージングへ導いていくものです。
そう言う意味では、広義のリードサポートと言え、BtoB取引におけるリードサポートは、特に形式に拘らず、真にユーザーの求める要件に最適な支援・提供をする、BtoB取引ならではの施策であると言えます。
04弊社のBtoB顧客サポート
1. 新規取引機会を創出する提案
”これから新規のBtoB取引を目指したい”、
”現状取組んでいるBtoB作戦のレベルアップをしたい”、
弊社へこれらのようなお問合せやご相談をいただいたユーザー様に対し、
担当者様やPT方々へのヒアリングによる現状認識から、
BtoB戦略の概案、
最適なツール・メディア展開、
またクリエイティブビジョン、
これらを提案書に認め、概算費用をご提示します。
それらのご提案に担当者様・PTレベルでご承諾いただきましたら、
社内でコンセンサスを取るための弊社によるリードサポートを、必要に応じて行なってまいります。
その際はぜひお申し付けください。
2. BtoB戦略の最適なツール・メディア提案
BtoB取引を目指す戦略は様々ですし、そこで活かすBtoBツールやメディアの投入も、ケースによって大きく異なります。
従ってオリエンやヒアリングを重ねていくと、弊社へご相談前に想定していたツールやメディアと異なる投入や展開となることも十分あります。
むしろ弊社ではニュートラルで先入観の無いレベルで、メディアやツールプランをご提示します。
例えば、
新商品となるサービスの新規BtoBユーザーへの拡販を推進するにあたって、営業パーソンの使用するサービスパンフレットと会社案内を作成したいリクエスト。ヒアリングにより顕在化した要件が、現状コーポレートサイトからの問合せによる反響営業が主体。弊社にてサイトチェックをしたところ、当該の新製品情報の掲載はなされているがスペックのみ。新サービスのブランド名も無い状態。
それに対し弊社では、まず新サービスのブランディングを提案、次にコーポレートサイト内に特設の新サービスサイトを制作し、そこに短期集客策として検索連動広告出稿、中長期にSEO施策を仕掛ける。その間営業パーソン用のパンフレット・会社案内を制作、また同時にコーポレートサイトのフルリニューアルにも着手する策を提案。
このように当初のユーザー想定ツールから、
サービスブランド構築、
特設サイト制作、
Web広告、
SEO対策、
パンフレット・会社案内制作、
コーポレートサイトリニューアル、
までBtoB取引を成果あるプロモーションに仕立てるためのほんの一例ですが、
どこまでどのようにツールやメディアを展開・投入するのかは、ヒアリングによる弊社のご提案、またユーザー様のご予算をお聞かせください。