印刷制作物の『環境対応型インキ』の使用促進
環境対応型インキの主流となるのが、ベジタブルオイルインキ(植物油インキ)です。石油系の溶剤に比べて生分解性があり、VOCの排出は大幅に抑えられ、環境負荷低減の効果を持ち、環境対応型インキという所以です。
そのVOC(Volatile Organic Compounds)とは揮発性有機化合物で、有害物質として大気汚染を引き起こす原因ともなっています。
印刷制作物の印刷に、このベジタブルオイルインキを使用することにより、印刷後の印刷機洗浄に伴う排水の浄化により、河川や海の汚染を防止し、自然環境の保全に大きく貢献するものです。
弊社ではこの取組みをSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」として、
- 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
- 廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
これらのターゲットを実現する活動は、弊社の印刷制作物の制作に、下記の印刷インキの活用を推奨し、これを普及・推進してまいります。
【ベジタブルオイルインキ】の活用
印刷インキには石油系鉱物油が含まれていますが、この一部(20%以上の含有率)を植物性油に替えたのが植物油インキです。植物性のため、揮発性有機化合物の大気中への揮発が少ないため、大気汚染を削減できる効果があります。
この植物油インキが使用されている場合、前項の古紙再生紙に加工するのに適している特徴もあります。
この植物油インキを採用した印刷物には、上図のベジタブルオイルマークを表示させることができ、環境対応型インキの使用印刷物として、企業の環境取組みイメージを高めるメリットがあります。
弊社では積極的に使用を推奨してまいります。
【ノンVOCインキ】の活用
石油系溶剤の一部を植物油に替えたのが、ベジタブルオイルインキでしたが、この「ノンVOCインキ」は植物由来のオイルのみを使用した100%植物油インキです。
従ってベジタブルオイルインキよりもより環境影響度は限りなく低くなります。
ただ一方で、VOC=揮発性有機化合物ではないことは、インキに揮発性が無いため、印刷後の乾きが悪く、その取扱いの難易度が高くなり、作業工数がかさむことで印刷費増を招いています。
しかしながら弊社では、その課題を乗り越え、引き続き顧客への啓蒙・推奨を行っていく所存です。
このノンVOCインキの使用においても、印刷物へのマーク表示が可能となり、企業として環境保全への取組み姿勢をアピールできるのです。