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STRATEGY BLOG

BtoBのコンテンツマーケティング

2020.05.14

BtoB取引を成功に導くコンテンツマーケティング(CM)は、
良質なターゲット集客のための、
メディア戦略とマーケティング戦略。
次にリード(見込み客)の確度を高める各種の育成施策。
そしてクロージングに向けた営業パーソンの活動まで、
企業間取引を段階を追って実践解説。

1. BtoBコンテンツマーケティングのアウトライン

企業間による製品やサービスの新規取引を行う場合、
購買する企業側、これを売り込む販売企業側、
いずれも、取引行動には大変な負荷がかかるものです。

それは、
企業が導入を計画している当該製品・サービスの評価や適正、
その取引額の高額さ、
それに伴う社内決済の厳格さ…等から、
それぞれの「B」は、なかなか一筋縄ではいかないのが、
このBtoBの特徴です。

そういうことから、
ケースによっては、クロージングまでに長期間を要することは、
特に珍しいことではなく、それだけ企業は購買に慎重な行動をとります。

それはもっと上流に遡って、
課題発生に対し、解決する手立て、投資額、時期…など、
それを取扱う業者を複数社一次選定。

実際に選定した複数の業者との度重なる商談、プレゼン・見積対応。
絞込んだ候補業者によるトライアルやテスト導入を実施。

最終の価格交渉や条件交渉、さらに与信審査を通し、
ここで場合によっては役員プレゼンも。
その後、社内稟申を経て、晴れて決済へと…

その間3ヶ月や半年、1年かかることも。

疲れますね!

BtoB商談現場
審査の厳しい企業間取引のプレゼンシーン。

つまりそれだけに、自社のモノやサービスを販売するため、
各種メディアやマーケティング施策を講じて、
求めるユーザーにリーチすればそれで成功…
ではないのが、このBtoBのシンドイところ。

そこからユーザーをリードに育成し、
短期決戦だけでなく、中長期戦で紆余曲折を経ていく…、
言わば茨の道が待っているのです。

前段が長くなりましたが、
これらがBtoBの厄介なところであり、これを成功に導くのは、
やはりBtoBの取引プロセスの特性を心得、
巧みにマネジメントしていくコンテンツマーケティング(CM)が有効であり、
段階を追ってこれから縷々述べていきます。

2. オウンドメディア・アーンドメディアの役割と展開方法

まず第一の関門となるメディア集客です。
オウンドメディアやアーンドメディア(拡散・評判獲得のメディア)づくりにはじまります。
それはターゲットユーザーが関心を示し、アクションを起こしてくれるに足る、
コンテンツの仕込みやチューニングです。

この章ではBtoBコンテンツマーケティングの心臓部とも言える、
メディアの役割と展開の進め方の話です。

●オウンドメディアはCMのコアメディア

コーポレートサイトのNG!

このオウンドメディアに関しては、
BtoBコンテンツマーケティングのコアメディアと言える、
コーポレートサイトに絞ります。

BtoB取引を前提としたコーポレートサイトの場合、
絶対に避けたいのは、以下の要因です。
少々クダけた表現ですが、わかりやすくするためご了承ください。

  • とにかく“ウリウリ”、“ドヤ自慢”が中心のコンテンツ
  • とにかく“まずは「お問合せ」”へと誘導したがる
  • サイト全般コンテンツが薄く淡白
  • 専門性に乏しく技術や実務情報が薄い
  • ターゲットユーザーのインタレストより自社の価値観優先
  • マーケットインではなくプロダクトアウト志向
  • 製品・サービス情報はスペック・仕様のみ
  • 追加追加のパッチワークサイト
  • 階層構造をなしてなく迷子続出のサイト
  • ユーザー事例が商社A社様・建設業B社様の匿名
  • 手づくり感・素人感の強いサイト
  • セキュリティや個人情報管理に無頓着
  • 企業情報が薄く与信的情報が無い

等々、枚挙にいとまが無いのでこの辺までにします。
えっ?そんなとこまで?
とお思いになるかもしれませんが、意外とこの手のサイト多いです。

つまりこれらの逆を張るサイトづくりに徹すると、
BtoBコンテンツマーケティングに適したサイトに近づくということになります。
一度チェックしてみてください。

選ばれる企業のゲートウェイ

BtoBのコンテンツマーケティングの場合、
コーポレートサイトはターゲットユーザーとのコンタクトポイント。
つまりコンバージョンの機会創出の場です。

これをコアメディアとして、とりまいて連携する衛星メディアを形成します。
これが次項のアーンドメディア群です。
詳細は次項に譲りますが、
端的に言うとアーンドメディア群から、コアのコーポレートサイトに誘導・送客、
そこでコンバージョンを獲得するわけですから、
これら両者の情報連携性、イメージ統一性が必須で、
少なくとも見解の矛盾や不一致があっては、ユーザーの共感にはつながりません。

次にこのコーポレートサイト、
企業の信頼性と一次的な与信効果を持つもの、と考えてください。
もちろん実際の受注前夜には、決算書、財務諸表提出や、
信用調査会社の信用調査が入ることもありますが、
このリードジェネレーションの時期の一次与信は、
やはり何と言っても、このコーポレートサイトです。

それだけに弊社ではBtoB取引を目指すコーポレートサイトづくりは、
情報構成やコンテンツ品質は細部にわたって精査するだけでなく、
ユーザーのページ遷移や検索性を踏まえたサイト設計、
常にフレッシュさを保てる更新性、
さらに重要なコーポレートブランド、つまり企業ブランディングによる独自性や差別性訴求。

機能と美の両面を備えたコーポレートサイトが、
単に数値の企業収益だけでは語りえない、ブランドへの信用とでも言うものでしょうか。

つまり俗っぽい言葉で言うと、
「選ばれるサイト、選ばれる企業」として、
BtoBコンテンツマーケティングのゲートウェイをなすものです。

●アーンドメディアのBlog・動画・SNS

オウンドメディアのサテライトと言えるアーンドメディア。
ここでの情報発信でコンバージョン完結ではなく、
ここを突破口にバズる、評価を得る、ファンをつくる、マーケティングメディアです。
前述コーポレートサイトと一体的に運用することが、効果を上げる決め手です。

【Blog】の戦略性

ここでのBlogは戦略性をもって、ターゲットユーザーにリーチするためのメディアであり、
コンテンツマーケティングを実践していく上では、
少なくとも日記や徒然なるままに…といったような趣ではありません。

あくまでも意識的にターゲットユーザーとのコミュニケーションが成立するよう、
そこで興味を持たせ、何らかの共感を得、
巧みにコーポレートサイトへ誘導を図る、といった記事づくりとプロセスづくりが必要です。

もちろん一足飛びにコーポレートサイトでコンバージョン!
という即決型プロセスも大事ですが、
むしろじっくりとリードへナーチャリングしていくことを前提とした取組み、
例えばメルマガ登録と配信、ホワイトペーパーダウンロード、
また自社セミナーや出展する展示会の情報発信等、
継続的なリテンションの流れをつけること。
さらにはBtoCのようにファンになってもらうもよしです。
BtoBのリードジェネレーション段階では、
ビジネスとは言えども誰もが入口は個人。まずはその彼の気持ちに刺さる情報を発信、
好感をもってもらうことも大事です。

製造業であれば、
エンジニアBlog、研究・開発者Blogなどはとてもいいですね。
ITC企業であれば、
開発事例・導入事例のエピソードBlog等。

業種や企業によって記事テーマは様々持てますが、
いずれにしてもこのBlogは、
コーポレートサイトのようにオフィシャル情報には無い、
製品・サービスのお役立ち・チップス、
製品・サービス開発を巡る苦労話、
セミナー・展示会出展リポート、等々。

裃を脱ぎ、ちょっとカジュアルに、日常ホンネレベルの切り口が、
リサーチしているビジネスユーザーのインタレストに刺さることは、
意外と珍しいことでは無く、
むしろこの手のBlogがコンテンツマーケティングの主役さえなす、
くらいの勢いで記事を書いていきたいものです。

検索エンジンでうまくヒットできるような、
テーマ設定、タイトル付けも、後述しますが、忘れぬよう!

もう一点大事なこと、
記事を書き続けること。
いかに長い期間にわたって、たくさんの有益な情報発信ができるかは、
実はターゲットユーザーへの心理的アピールにもなるものです。

【YouTube動画】からのリーチ

特に製造業では製品紹介に効果を発揮します。
プロによる撮影・編集に越したことはありませんが、
製品単品を多数個別に紹介したい場合、
手づくり動画でもちょっと工夫できれば問題ないでしょう。

製造業における自社製品、例えば製造装置、工作機械などの稼働状況や生産工程、
建設業の技術に関わる施工シーンの動画、
或いは、業種にかかわらず公式に制作した企業動画、PR動画、
これらの正式版、短縮版をYouTube登録しておき、
コーポレートサイト、専門サイト、Blog、Facebook等にエンベッドします。

当該の製品やサービスの導入を検討している企業担当者は、
YouTube検索でも情報リサーチをします。
視聴によりそこから辿ってコーポレートサイトに行き着くルートです。

つまり動画からコーポレートサイトへ誘導・送客し、
コーポレートサイトでコンバージョンに繋げるというスキームです。

こういう機会に何とか巡り会いたいですね。

その動画からのそのようなユーザーへのリーチは、
エンベッドされたサイト上で視聴するチャンネル、
またYouTube動画に直接アクセスするチャンネル、
これら2つのチャンネルでリーチする機会を持つ、というイメージです。

【SNS】にもビジネスパーソンが存在

Facebook、Twitter、Instagramなどが対象となります。
これらは、場合によってBlogよりも発信力や影響力が大きいこともあり、
いわゆるバズるメディアとしてしっかりと運用していきたい。

例えば自社の新サービスをFacebookとTwitterで情報発信、
その遷移先として詳細記事を掲載しているBlogや、
公式に情報発信しているオフィシャルサイトがその対象となります。

BtoBとは言え、
BtoC的なこれらのメディア活用は大変効果的です。

これらの中に個人として参画していても、
先程来言及している通り、片や組織や法人の構成員です。

実はこのチャンネルも利用しない手はないわけです。

3. 集客のためのマーケティング施策

さてここまでは、メディア展開やによる、
間接・直接にターゲットユーザーへのリーチを目指す取組みでした。

ここからはダイレクトに検索エンジンを活用したSEO対策、
そしてトリプルメディアのオウンドメディア、アーンドメディアに続く3番目となる、
ペイドメディアです。
まずはSEO対策から。

【SEO対策】で上質ユーザーを掴む

何かをリサーチする際、検索エンジンを使うこと。
その際いかがでしょう、検索結果で表示された1ページ目でほぼ解決する。
ということではないでしょうか?

実はまさにその通りで、
逆にその範囲で表示できないと、ターゲットユーザーの目に留まらない、
ということになります。

もちろんユーザーは、納得いく情報が得られない場合、別の検索クエリ(キーワード)で再検索、
ということになりますが、1ページ、多くても2ページ以上はクリックしないことと言えます。

それはGoogleの検索品質の著しい向上がなせるワザです。

そのためのSEO対策はコンテンツマーケティングそのもの、とも言えます。
つまりGoogle-SEOは、もはやコンテンツ品質そのものです。

  • 独自性高い切り口の情報
  • 専門性の高さ
  • ユーザーに役立つコンテンツ
  • 知識や知見が豊富
  • 情報更新性が高い
  • 常に最新情報を発信

これらの要素はサイト全体にわたって活かされるのは当然のこと、
ページ内のコンテンツとして、
とりわけ製品情報、サービス情報など収益の柱となる情報掲載ページに関し、
これらの要素を存分に発揮したいものです。
特に昨今はページ単位で評価し、下層ページと言えども、
ある検索クエリの検索結果で上位表示に値する、
と評価されれば躊躇無く掲載されるようになっています。

ただし、SEO対策を実行する上で、さらに大事なことがあります。

前述の通り、ある検索クエリの検索結果で上位表示を達成できたとします。
自社サイト、或いは当該ページが掲載された順位の前後には、
競合企業や類似情報を発信しているサイトやページが掲載されています。

ではどうでしょう?

その中で、思いっきり品質を高めた自社サイト、ページコンテンツなのに、
その上位に掲載されているサイトにアクセスして見て、
何をか言わんや!
自社よりもワンランクもツーランクも上と認めざるを得ない…

結果的に離脱や直帰、競合との比較で選外…

努力してやっと上位表示を達成でき、
ようやくターゲットユーザーとのコンタクトポイントを創出できたのに!

つまりこのケースは、
相対的な視点を欠いたこと。
もっと言えば、SEO対策を実行する最初の段階で、
競合分析のための事前リサーチが無かったことと言えます。

SEOは上位表示を達成することが目的ですが、
BtoBコンテンツマーケティングの中でのSEOは、
ターゲットユーザーにリーチする手段の一つ。

数ある競合、或いは強豪の中から、
「選ばれるサイト、選ばれる企業」を目指す戦略だと考えていただきたいと思います。

BtoBユーザーは、
取引業者に対し、厳しい要件、高いハードルを課すというのは、
後に実交渉にあたる営業パーソンのみならず、
最初のコンタクトポイントとなるWebサイトにも、強く求めるものです。

少なくとも、
とにかく「Webは問合せさえしてくれれば、あとは営業が何とかする」、
といったような古典的なWeb概念は捨てるべきです。

それから最後に、
このSEO、どうしても上位表示までには、一定の時間を要し、
前述のように上位表示を達成できても、反響、成果に直結するかどうかは未知数。

従ってチェック・アクションの効果検証が必須です。
シンドイですが、成功へ向けてチャレンジすることは、
BtoBコンテンツマーケティング成功に導く鍵を握っている、と言っても過言ではありません。
じっくり腰を据えて取り組んでください!

【ペイドメディア】を駆使することもCMの要素

このペイドメディアの場合、
オンライン、オフラインがありますが、
いずれもオウンドメディアのコーポレートサイトに誘導すること、
またLP(専用のランディングページ)誘導も、
製品・サービスによっては大変効果的です。

BtoBユーザーの場合は、より深い理解につながり、
その後のリードナーチャリング(見込み客育成〕によって、
関係の継続性が期待できます。

オンラインでは、
検索連動広告、リターゲティング広告、
Webバナー広告、YouTube動画広告、
Facebook等へ掲載するSNS広告もターゲットをビジネスパーソン、経営層などと、
絞り込めるため、製品やサービスの属性によっては、
非常に効果的です。

特にSEO対策が、そもそも上位表示できるかどうかは未知数、
できた場合でも一定の時間経過は覚悟をしなければならない中、
広告出稿後すぐに実施でき、
実行のスピード感は得られますが、
それだけにミスマッチも多く発生することがあり、
効果検証しながらコンバージョン精度を高めていくことが重要です。

またオフライン広告では、
業界誌広告、新聞広告、交通広告等、
こちらも広告のコンテンツとして、
URL表記でオウンドメディアやLPに誘導することが一層効果的です。
またQRコード表記でスマホ、タブレット端末などへ誘導する場合、
マルチデバイスのレスポンシブ機能は必須です。

4. マーケティングツールとリードづくり

オウンドメディアを高品質に仕立て、アーンドメディアでバズって情報拡散し、
SEO対策やペイドメディアにより集客を図り、ターゲットユーザーにリーチ、
狙いとするオウンドメディアに誘導できたら、
ここからはいよいよコンバージョン獲得に向けたツール活用や、
その後のコンタクトの機会、商談取り付け、さらには関係継続化策に進みます。

ここではBtoBコンテンツマーケティングのプロセスで活きる、
色々な仕掛けやワザの中から主なものを洗ってみます。

●ホワイトペーパー

このホワイトペーパーは、
企業のビジネスモデルの枠組み、
製品・サービス紹介やソリューションのあり方、
導入実績・ソリューション事例紹介、等、
詳細なデータ、エビデンスをドキュメントでまとめ、
コーポレートサイトなどから、
ユーザー登録・ダウンロードできるようにしておきます。

コーポレートサイトとしては、
自社ビジネスの特徴、
製品・サービスの優位性、等、
どうしてもコンテンツが自社のウリ中心になる傾向があります。

そこをこのホワイトペーパーにて、足らないデータ、情報を充足し、
ターゲットユーザーのインタレストに迫る、
本質に踏み込んだコンテンツにしておけば、
業者一次選定の突破口にもなりうる可能性を秘めています。

このようなことから、リードジェネレーションの過程段階では、
大変有効な戦力となり得ます。

このホワイトペーパーは、一方で営業パーソンの商談ツールとしても活かせますので、
オンラインのみならず、オフラインを視野に入れた活用も視野に入れておきます。

●カタログ・パンフレット・会社案内DL

このカタログやパンフレット、また会社案内に至るまで、
紙媒体で制作されたツールをPDFにして、
コーポレートサイトからダウンロードするものです。
特に製品やサービスに特化した情報を必要とする場合、
またその製品やサービスを提供する企業情報が必要な場合の利用ですが、
ホワイトペーパーと同様、業者の一次選定の際の情報収集段階では、
大変有用性が高いツールとなります。

●メルマガ

リードジェネレーション段階において、
ターゲットユーザーが、特に中長期的に検討することを前提に情報収集している場合、
定期メルマガ配信は大変効果的です。

ユーザーからリードへと進化させていく、リードナーチャリングのツールとしても、
大変有効です。

自社で定期的にセミナー開催している、
展示会に数多く出展している、
新製品発表会を都度開催している、
個別商談会や無料相談会を開催している。

このように、特に積極的にマーケットに営業活動を展開している企業の場合、
これらの開催情報だけでもかなりの情報発信になるため、
このメルマガが大変効果的な手段となります。

つまりこれらの自社の活動情報を積極的にメルマガで発信していき、
うまくリードへと成長させることと、その関係性を維持していくことです。

ターゲットユーザーはこれらを取捨選択しながらも、
それらの機会を利用しながら、
逆に言うと提供側はリードへ育成する手立てとして効果的に運用します。

●セミナー・展示会・イベント

これらのセミナー・展示会は、
オフラインで、しかもツールではなく、マーケティング行為となりますが、
BtoBコンテンツマーケティングの枠組みで捉えれば、
ユーザーからリードへ確度を高めていくツールの一環ということもできます。

定期開催の自社主催セミナーでは、
講演後に個別相談会を実施し、そこで引き続き継続的な商談を取り付ける。

展示会へユーザーを招聘し、製品やサービスへの理解を深める機会とし、
訪問の機会へつなげる。

新製品発表イベント、個別商談会など、自社での個別の様々な取組みの機会を、
リードジェネレーションから育成に活かすツールとして、
活かしていきたいものです。

5. 営業活動の品質向上とリード支援

ここからはクロージングに向けての営業パーソンの出番です。
細工は流々、仕上げを御覧じろ!
実はコンテンツマーケティングの最後の仕上げとも言える“締め”です。
ここまで効果的な手を打ち、
狙いとする新たな未来のお客様づくりを理想に掲げ、取り組んできました。

とは言え、ここからそのまま営業パーソンに丸投げでいいのか?
ここまで流々と細工に精を投じてきたわけですから、
受注クロージングに向け、やはり一気通貫のナレッジと気概をもって臨みたいもの。

つまり最新のマーケティング理論や情報・データ分析を駆使し、
苦難の末ようやく掴まえたリード。

ところがどうでしょう、実はよくあるケースとして、
引き継いだ営業パーソンがカンと経験、個性やノリをウリとする古典スタイル…
しかもその活動は、個々人の能力に委ねられ、そのプロセスやナレッジが共有されず、
属人化している…

少々オーバーな言い回しですが、
これでは分断されたBtoBコンテンツマーケティング!
と言わざるを得ません。

ちなみにこのこと、意外と歴史ある、営業力の強い企業で、
起こりうる現象のようです。

●問合せ受付とMA・SFA

コンバージョン、つまりユーザーからの問合せが発生。
前項の通り、そこから問合せユーザーが営業パーソンへ受け継がれる。
ターゲットユーザーからの問合せの受付。

このような新規のユーザーとの接点となるこの場面、
むしろこのような表現が、わかりやすいと思いますので、
あえてこの「問合せの受付」という表現方法にします。

この問合せ受付の大事さは、ユーザーと企業を結びつけるシーン。
またと無い千載一遇のチャンス。

ある統計によると、
BtoBユーザーは自身の問合せに関して、
問合せ先の返信(自動返信除く)やリアクションまでのリードタイムが、
3時間を経過した頃から、約30%のユーザーが心理的ストレスを持ち始め、
6時間を超える頃には約60%を超えるユーザーが不満を高め、
商談等の有効な次の進展にはつながらない、と言われています。

このシーンを無駄にしないためにも、
問合せ受付を漏れなくレコード化し、共有化し、
適性を踏まえ担当する営業パーソンへアサイン、引継ぎし、
スピーディに次の様々なセールスアクションへつなげて行く。
この連携を補助するツールとして、
MA(マーケティングオートメーション)、SFA(セールス・オートメーション)、
グループウエア(GW)があります。

もちろんこれらのツールを導入しても、社内で明確な使用ルールや運用規定を設け、
何よりも営業パーソンがそれらを遵守して活用することが前提。

そのMA、SFA、GWの重要性は、
営業パーソンの商談進捗状況を管理でき、
ユーザーの行動履歴や蓄積されたデータ分析から、
戦略的に、システマチックに次のアクションを企てる、強い理論的根拠になります。
組織としても提案書・企画書、営業行動履歴、
さらに蓄積されたナレッジの共有やデータの統計化で、
営業パーソンの能力底上げと活動の標準化に活かせ、
営業戦力の強化や属人化の防止に役立ちます。

●リード支援

BtoB取引を新規で始める場合、
購買側の企業は、石橋を叩いても渡らない、くらい非常に慎重です。

金額の大小にかかわらず、概ねその傾向は強く、
数千万、数十億、数百億…と額が大きくなれば、推して知るべしでしょう。
それは購買、導入後に失敗が許されず、
想定の効果をきちんと達成させる責任があり、
そこに大きな不安がのしかかっているからです。

それだけに取引業者には厳しい要求をします。

この状況において、
購買に向け山積する様々な課題、障壁に対し、果断に立ち入っていき、
一つひとつ解決する策を丁寧に講じ、のしかかる不安を取り除くために、
むしろ積極的にリードを支援することが有効だと考えられます。

製品やサービスによっては、
導入に向けてのシミュレーション、デモンストレーションはじめ、
実際に同製品や類似サービスを導入した顧客企業へのユーザー招待、
自社の生産工場見学、等。

さらに取引候補業者が絞り込まれ、クロージング段階では、
候補業者が自社による役員向けプレゼンを逆提案し、そこに参加依頼する、
最終段階では非常に効果的で、PT担当者への支援になります。
ただし実はこれは難易度が非常に高いワザです。

社内稟議のためのデータやエビデンス情報の提供、
これもPT担当者へのお助け対応になります。
何と言っても小難しい資料作成を業者がやってくれるのですから、
そりゃーもう大助かり!
もちろん社内向けにチューニングは必要ですが。

カスタマイズ版ホワイトペーパー。
これは前述と同様、稟議資料などに活かせるドキュメント。
汎用的なオンライン用をもっと当該案件用にカスタマイズすると最適!

その他色々あると思いますが、
リードの痒いところに手の届く支援活動は営業パーソンの腕の見せ所であり、
受注獲得へ向けて、大きく前進させる推進力を潜めていると思います。


最後になりますが、
筆者は思うに、やはりコンテンツマーケティングは、
特にBtoBの場合、オンラインだけでは完結しないということです。

しかもオンライン+オフラインを交え、プロジェクトの上流から下流まで、
密にケアしていかないと、取引成就には結びつかないということでしょう。

このBtoBコンテンツマーケティングを大きく2分割すると、

Web・デジタルマーケティングの上流フェーズから、
バトンタッチして、
営業パーソンの受注獲得活動の下流フェーズ

と言えます。

つまりこの両者をきちんとそれぞれの領域で精査し練り上げ、
ジョイント箇所にギャップが無いよう連携させること。

このことによってBtoBコンテンツマーケティングは成り立つものだと結論づけ、
これにて記事を締めくくりたいと思います。



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